七五三の祝い

通りゃんせ　通りゃんせ
ここはどこの細道じゃ
天神さまの細道じゃ
ちょっと通してくだしゃんせ
御用のないもの通しゃせぬ

なんとも怖さただよう童謡ではありませんか？
医療の発達していない昔は、七歳までは神の子と言われていました。亡くなる子供が多かったのですね。無事に七歳をすぎて、あぁよかったこの子は無事に育ってくれたと、親たちはその成長を感謝しまたこれからの人生も無事に育つように祈りました。
七五三は子供さんがいるご家庭のお祝いだけと思っていませんか？
それもあります、でも、そればかりでもありません。今、自分が生きているそのことに感謝をしても良いのです。親に、その先のご先祖さまに、神さまに。　天神さまと、通りゃんせの歌にあるではありませんか？
室礼とは寄物、モノに思いを寄せる行事です。今も世界中で飢餓や戦争で亡くなる子供達がいます。子供たちの成長へ思いを寄せる行事であってもよいはずです。

この着物は姉のおさがりの着物です。ずっと昔の娘時代。少し大きいし、袂が短いですが、立派に？（笑）七五三のお着物になりますよ。袖上げ、腰上げをして長く着物を着ていた昔ならではの知恵です。さなぎから蝶へ脱皮する意味のおめでたい柄です。

桐の小ダンスに五色の紐
材木を扱っていた実家の名残です。桐は人と同じ速度で成長します。昔、女の子が生まれると桐を植え、その子がお嫁に行くちょうどそのころ、大きくなった桐の木から衣装ダンスを作り花嫁道具としてもたせていました。
育て、使う、日本人の美しい習慣でした。桐は虫を寄せ付けない、守る、神聖な木です。今もありますでしょう？
皇室の紋、五三桐、五五七桐、ここでも七、五、三が出てきました。これは陰陽道、五行の思想からきています。
五色紐も五行から来ています、それは鳳凰のお姿とも取れます、鳳凰は神の使いと言われています（中国の伝説がのちに日本へ伝わりました）
長板に、七つの柿を、これは七徳の柿です、七つの徳、喜びをかき集め得られますように。との願いが込められています。